京都市美術館の院展と芸術都市パリの100年展と野村美術館と
堂本印象美術館の祈りの形象展の感想を

院展は相変わらず
好み的に好きじゃないなと絵の感じも技法面も、
胡粉で仕上げました。という感じも、
線の絵や没骨の絵があっても、線がビビッてたり
形や墨の使い方がアレだったりと

全体見渡しての印象は劇的には変わらないなと
当分このままじゃないでしょうか。
多少は高齢の画家が無くなったりイロイロあるかもしれませんが
当分はこの路線でそんな印象でした。

芸術都市パリの100年展の方は
結構混んでました。雨降ってた日だったけど。
これから行くなら絶対日を選んで言った方がよろしいかと

絵の方は結構良いのが来てたんじゃないでしょうか?
時代が時代だけあって、結構浮世の影響なんかもあるのかなという絵や、構図的に
後のピカソやマティスを予感させれる絵があったり
かと思えば古い時代の絵タイプのあったり、テーマがキリスト教的だったり、肖像画などの
古いものと新しいものがゴチャゴチャしてる。良い意味で
時代の移行期そんな時代だったのかなと思いました。

個人的に良かったのは、
リュシアン・リエーヴルのピガール広場、ラウル・デュフィの家と庭、モーリス・ドニの一連の作品、
ドニの作品はなんとなくですがルネ・マグリットの絵が
思い浮かぶような作品でした。構図とか絵の具の使い方が

話が逸れますが、日本の近代の画家はこの時代の絵の影響を受けている人が多いですが
その際に、この影響を受けた日本の画家たちは、
ヨーロッパの画家達が浮世絵や琳派、中国趣味、東洋趣味、
自然主義の影響を知っていて、
それの影響を受けて描いていたんでしょうか
それともまったく、知らずに絵を観てなんとなく良いなと思い
若しくは最新の流行だというのだけで後ろの情報を知らずに、描いたんでしょうか
どちらにしても、面白いですよね。
日本から輸出したもので、ヨーロッパは影響受け、
その影響下で制作したものを再度日本が輸入し、輸出した側が今度は影響を与えるんですから、
でも、そこから再度の絵はあまり受けがよくないんだよなぁ
なぜ何でしょう。一次情報ではなく、二次情報だから、
新鮮味と言うか、
自分以外の他人のものが入っていて受けつけ難いものだったんでしょうか?それとも文化的な問題?


それと何となく絵以外の事ですが、クライスラーやエネスコの若い頃やグラッペリがピカソに粘土売りに行っていた子供の頃毎日が移動祝祭日だったパリは頃はこんな日々だったのかなぁ~と過ぎりました



野村美術館は開館25周年記念の館蔵名品展
名前通り良かったです。絵を期待して行くと後悔するかもしれませんが、森一鳳の屏風だけだったので
前期は展示してないようなので、
後期は佐竹本や雪舟などあるようですが、
でも他は凄い豪華、

焼き物関係は大天目や(天目台とセットでの展示でした)
道入の赤楽の若山、永楽保全の茶碗、乾山の鉢
辻与次郎の関係も1点

書は無準師範。宗峰妙超、夢想疎石があったり
坊主関係以外では松花堂や定家、遠州も

同時に藤竹細工展もそちらも良かったです。
籠が編んであったり花入と茶杓があったり、
薮内家の花入が沢山あったんですが、
その中で竹陰という人の竹の花入があったのですが、
ちょっと周りの千利休や剣仲や他の薮内家の物は
どれも渋いのですが、なんか比べると違うなぁと
あまり枯れてなくて、竹林の竹を持ってきた様な印象だなぁと
と思って観てたのですが、
解説読んだら、応挙と池大雅なんかと交流あったと書いてあったのですが、なんとなく納得できました。
それで枯れた感じではなく血が通った様な生々しい印象なのかと

でも今回観た花入で良かったのは一階展示の胡銅口紋六角花入でないかと形が綺麗過ぎる。

見るべきものが沢山あり大変充実した作品展でした。

あと何となくですが野村美術館の世界には
曽我蕭白や長沢芦雪や伊藤若冲は合わないなというのを非常に感じました。
きっと収集した個人の好みの問題だと思いますが、

ギリギリに行ったので終わってしまってアレですが
堂本印象美術館の祈りの形象展の感想を

堂本印象はやっぱり改めて観ると時期によって作風が違いますね。特に一つのテーマで観ると

たらしこみの様な表現してる時期や典型的な日本画描いてる時期や油絵の様な重厚を目指してる時期
(今回の絵なら維摩の絵など)
重厚感はあるけど、絵の具貼り付けではなく色で勝負してる感じでしょうか?絵巻物の様な表現をしている時期、
モンドリアンやカンディンスキーの様な絵を描いてる時期など

本当にコロコロ変わる。同じ人が描いてるとは思えないくらい
でも裏を返せば絵が好きで描いても描いても描き飽きなかったんでしょうね。やりたい事が沢山
年齢を重ねてからでも、作品が劣化コピーの様な感じで描いてる印象はまったくありませんから、
(チャレンジの連続という感じ)
そういう点では堂本印象は本当に凄いと思いますね。
彼の絵についていけるかと言われればつらい。
ものもありますが


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