「日本画」の転位

2005年12月13日 読書
感想ですが、
文に非常に癖があり、横文字一杯で読みにくく
(正味の話、うっといと感じました。まぁ私の頭がバカという事もあるんでしょうけど)
個人的に著者が興味を持ってる絵というのは興味が無いですし
読んでると所詮美術品は批評家に批判されるだけの存在
若しくは美術史家の自己の理論のためにだけあるのではないかという。そういう気分になりました。
またこの人が満足する様な作家が現れたとしても、
私は満足しないだろうと、好み的な路線に大きな違いを感じましたが、

でも中に書いてある話は興味深く、面白かったです。知識として

私が長年疑問に思っていた

明治以降に登場した日本画という言葉や日本画の成り立ち、
日本画と政治や国との関係
近代の絵は絵の具ベタ塗り膠で貼り付けの絵なのか、
線や浸透性の絵の具がメインの絵ではなく、
水墨画や漢画系の絵が今現在なぜ主流の絵ではないのか、
昔と比べると余白を生かした絵が少ないのは何故か、
何故近代の絵は額装がメインで掛軸ではないのか、
創画や日展などに出品するのに、軸装ではダメなのかなど

そういう事が詳しく書いてあったので

また私の横山大観嫌いの理由も本のお陰で
ほぼ説明がつきそうですし
横山大観は技術的にあまり上手じゃない
(もののかたちを描くのが上手じゃなという意味で)
絵として巧いかどうかは別として
横山大観の絵は技術的なモノを除いて
絵として観たら迫ってくる。
訴えかけくるモノがあると思いますが、絵として一番重要な部分
ここがダメだといくら、もののかたちが上手に描けても、絵にならない。
(話がやや逸れますがメニューインのヴァイオリンと一緒。
メニューインには技術的に調子の良い時も悪い時もあるけど、
でも重要なのはそこじゃなくて、メニューインの人に訴えかけくる部分そこが一番重要なのと一緒、その部分が好みだから
私はメニューインが好きなんだと思う)

横山大観の絵にとって一番重要なその一番重要な部分の訴えかけてくれるモノが私は嫌い。受け入れられない。鳥肌が立つ
またその重要な部分に関わってくる、彼の思想や理想も嫌い
(主に岡倉天心やフェノロサに影響受けた)

と疑問が一気に解消とはいきませんが、かなり解消できたので、(新たに疑問も出来ましたが・・・)
そういう意味では、面白かったし役に立ちました。
著者的には私が興味を持ったのは、本論を論じる上での
必要なオマケみたいな部分かもしれませんが、

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