小林古径展へ

小林古径の作品を意識して観るのは始めての機会です。
また纏まってみるのも

では感想を
古径の絵は絵が少し古い気がしますね。
古典の勉強をなされてるといいましょうか、
日本画で写生に基礎を置いてるといっても、
どちらかと言えば鳥獣戯画図の様に、勢いとかで描いてる印象でした。人物なども（人物のデッサンを無視したような）古い美人画のようだなと思いました。（そういう絵じゃないのもありましたが）
またバックの植物などは朦朧でその頃の流行を取り入れてました。

あと観てて思ったのですが、輪郭線をあまり使ってませんね。
特に植物を描く際に、
どちらかと言えば絵の具で絵を描く画家だと思います。
線ではなく、ただ着物などは、シャープな輪郭線で描いて中に色を入れ、輪郭線を組み合わせ着物の立体感を表現してますね。
着物の皺などを隈取や墨の勢いで描くのではなく、
また例えば牡丹だったら、牡丹の花の周りをぼかすしたり、
白く塗ったりして牡丹が浮かび上がるように見える。
そういう技術は巧いと思います。（絵の好みは別として）
またバックの色を変え奥行きや、高さ、距離感を意識する構図など
考えて描い思います。
あと絵具の緑が非常に綺麗でした。緑青色で、鮮やかで特徴的でした。

ただやはり絵が古いスタイルだなあと思いますね。
常設展で古径が描いた竹取物語とほぼ同じモチーフの前田青邸の絵があったのですが、前田青邸の方が絵が軽いと言いましょうか。
なんて言ったらいいのかなぁ、その伝統とかそういうのを上手に消化し描いてると思います。また自分らしさがあるとも感じました。絵としての面白みも、また現代的だとも
まあ私の好みの作品はあまりありませんでしたが
（牡丹と七面鳥の絵は良かったと思います。）
お上品な真面目な日本画好きな方には、色彩の淡い、
絵具を被せベタ塗りでない。上品に塗ってある
昭和というより大正時代の延長といいましょうか、
ちょっと古い時代性を感じる
そういうのが好きな人にはいいんじゃないでしょうか？

ただ余計な事かもしれないけど、入場料1200円は高いぞ。
（私は学生料金で行きましたが）