4月9日の日記

友人宅で最近花粉症で文化的生活を送ってないと言うことで
お付き合いで何故か京劇のビデオを観たんですが
どうも肌に合わず帰宅後ももやもやしてしょうがないので、
梅蘭芳の覇王別姫を観る（梅蘭芳はレスリー・チャンが演じた
覇王別姫さらば、わが愛のモデルの役者）
覇王別姫を観て気付いたんですが、私は京劇が好きなんじゃなくて
梅蘭芳が好きなんですね
久しぶりに覇王別姫を観たんだけど、
梅蘭芳はいつ見ても綺麗ですね。
私の観た覇王別姫を演じた時に梅蘭芳はもう50超えたおっさんなんだけどおっさんとは思えん。
もう仕草の一つ一つが女らしくてそして体の動きが柔らかさ、
特に虞妃が項羽のために舞うシーンは、
動作が激しく2本の剣を振り回すなど派手な事をしてるんだけど、
でも動きが下品にならず上品で動作が流れる水のように穏やかで、
表現してる事と動作の差がありすぎて凄すぎる。
二本の剣をクロスさせながら振り回すシーンは、
この人の腕どうなってんだろうというくらい優雅で美しい。
やはり梅蘭芳は名優だ。
ビデオで観た人には悪いけど、ビデオで観た人は動きが堅いと言うか動作が梅蘭芳と比べると明らかに落ちる、動きに優雅さが無い
そして衣装の豪華さが違う。
最近中国は文革から復興して過去を見直してるのかもしれないけど
でも文革で失われたモノと言うのはあまりにも大きいと思いますね。梅蘭芳には数百年の伝統があり、その上で色んなモノを
取り込んで梅蘭芳は自分の演技を、劇を作ってるんだと思いますが、現代のはいくら頑張ってもまだ失われた数百年のモノ
（仮に全部は破壊されてないにしても）は取り戻せてない
新しく創造してる部分もあると思うんですが、やはり敵わない。
過度に伝統を重んじるのもどうかと思いますが、
でも適度なら伝統ならあった方がいいです。
時代の流れや自分は気に入ったものは取り込んで進化させていくのは、そして取り込んだモノをこんなにも美しく今まであったものと
無かったモノを統合できる梅蘭芳は凄い。
これは個人の才能なんだと思いますね。
他の役者の演技を観ても巧いなあとは思いますが感動はしない。
けど梅蘭芳なら観たら巧いなあ以外のものが得られますから。